だんだんと、暖かくなってきましたよね。
桜も咲いてきて、温かくなってきて、春らんまんッて感じです。
もうすぐで、端午の節句になって、五月人形だとか菖蒲の葉とか、季節感バッチリの、男の子のお祭りがやって来ます。
この頃になると、こいのぼりの歌やせいくらべの童謡などが、街中を歩いていても、どこからともなく聞こえてきます。
そのことを思い出すと、とても情緒深く、ものすごく楽しみでもあるんですよ。
こいのぼりの唱歌をきくと、子供のころから耳にしているので、とてもなつかしい感じがして、ついつい感慨にふけってしまいます。
で、その、こいのぼりの唄の歌詞を、思い出してほしいんですけど…、そうです。あの「屋根より高い…」のこいのぼりの歌詞です。
よくよく見てみると、ご存知の通り、お母さんだけが、不思議とでてこないんですよね。
なぜだかその理由を含めて、調べてきましたので、少しずつ、一緒に確認していきましょうね♪
こいのぼりの歌詞
「屋根より高い…」ではじまる、こいのぼりの歌は、ご存知の通り、近藤宮子さんの作詞で、有名ですよね。
で、発表されている作詞は、1番の歌詞のみで、おなじみの、
やねよりたかいこいのぼり
おおきいまごいはおとうさん
ちいさいひごいはこどもたち
おもしろそうにおよいでる作詞/近藤宮子 作曲/作者不詳
ですよね。
おかあさんが出ない理由とは?
それで、歌詞を読みかえしていただけばわかると思うんですけど、歌詞の中で、お父さんや子ども達は出てくるのに、お母さんが、なぜか出てこないんですよ。
なにか寂しい感じがしますよね。
理由は、実は、次の2つのとおりで
- 男の子の祝い事だから
- 当時の時代背景
なんですよ。
男の子の祝い事だから
そもそも端午の節句は、江戸時代から、武家の風習、節句として、はじまりました。
こいのぼりの鯉は、「登り龍」です。「鯉が滝をのぼって、天へと飛翔すれば、龍へと变化する」といわれている「昇竜」のたとえです。
武者人形や兜を飾ったり、菖蒲(勝負)湯につかったりするのも「強くたくましく育って欲しい」という男の子への、親の願いや願掛けの意味が、あります。
当時の時代背景
こいのぼりが飾られるようになった時代背景を、少し追っていきましょうね。
こいのぼりを設置をするようになった初期の時代は、実は「男の子」を意味する、黒色の真鯉の1匹のみを飾っていたんです。
そして明治に入ってから初めて、黒色の真鯉と赤色の緋鯉という、2匹の対の鯉になったんです。
でも、家長制度が常識の世の中だったからか「お父さんの真鯉と長男の緋鯉」という、男性同士で親子の鯉という意味だったんですよ。
さらに、昭和の時代になって、家族が大事にされる世の中になりました。
そこではじめて、お父さんは真鯉、お母さんは緋鯉、こども達は小鯉となったんですよ。
小鯉も数が増え、3つのこいのぼりが、飾られるようになりました。今ではかなりカラフルで、女の子に似合う色の、緑やオレンジの子鯉もいるぐらいですよね。
ですので、1番歌詞にお母さんが登場しないのは、故・近藤宮子さんが作詞した当時(昭和6年24歳)の時代背景が、かなり影響していると思われるんですよ。
まだその当時は、緋鯉がお母さんだというのが、世の中では、一般的ではなかったんですね。
ところが、お母さんが出ているバージョンの歌があること、ご存じですか?
おかあさんが出る歌詞もある
教科書「しょうがくせいのおんがく1」(音楽之友社/昭和57年発行)で、2番の歌詞として、載せられています。
やねよりたかいこいのぼり
おおきいひごいはおかあさん
ちいさいまごいはこどもたち
おもしろそうにおよいでる作詞/近藤宮子 作曲/作者不詳
「しょうがくせいのおんがく1」(音楽之友社/昭和57年)より引用
この教科書では、1番と2番で、家族全員が、こいのぼりの歌詞の中に、出ている事になっています。
こいのぼりも家族
いまの時代の風潮として「家族を大事にする」という流れになってきている、ということが、この歌詞に反映されています。
実際のこいのぼりも、いまの時代背景に沿ったものへと、変化しています。
子鯉の色も豊富で、黒、赤、青、紫、緑、オレンジなど、たくさんあって、色彩ゆたかです。
こいのぼりも、お父さん、お母さん、こども達といます。
こどもが生まれるたびに、子鯉を1匹ずつ、増やしている家庭もあるので、その家の、こいのぼりを眺めて見るのも、樂しいかぎりです。
「あ!あの家は、1姫2太郎だ!」などと眺めることも、たまにあり、少し心がホクホクします。
2番の歌詞といえば…
「屋根より高い…」ではじまる、こいのぼりの歌は、ご存知の通り、近藤宮子さんの作詞で有名ですよね。で、発表されている作詞は、1番の歌詞のみなんです。
一般的には、「2番の歌詞はない」と言われているんですが、作詞者不詳で、まことしやかに言われている、2番の歌詞が、実はあるんですよ。
それは、つぎの歌詞なんです。
みどりのかぜにさそわれて
ひらひらはためく
ふきながし
くるくるまわる
かざぐるま
おもしろそうにおよいでるこども達の話の中より
そうなんだ~と思ってホントびっくりしました。
さらに言うと、僕も知らなかったんですけど、近所の幼稚園のこども達が、口ずさんでいて、別の歌詞を歌っているのを、なぜか聞いたことがあるんですよ。
わからなかったので、「なにそれ?」って感じで聞いてみたんです。
ひょっとして、幻の3番の歌詞かもしれないと、思いましたので、紹介いたします。
5がつのかぜにこいのぼり
めだまをちかちか
ひからせて
おびれをくるくる
おどらせて
やさしいそらをおよいでるこども達の話の中より
もしかしたら、目立たない所で、いろいろな歌詞が存在しているのかもしれませんね。
「こいのぼり」などの童謡の歌詞にふれていると、「もうそんな時期がやってきたんだなぁ」とおもって、四季の変化を、生活の中に感じてしまうこともあります。
日本に昔からあるものを、暮らしの中に見出した気になって、なつかしさを覚えて、こころがやすらいだような気持ちになっちゃうことも^^
※なつかしい童謡の歌詞について、お伝えしている記事を、以下のページに一覧していますので、ご活用いただければ、です、m(_ _)m
昔は5月近くになると、男の子のいる家庭では、たいてい空を大きく、こいのぼりが、たなびいていましたが、昨今は、あまりみなくなりましたね。
大きな建物も増えてきて、こいのぼりを建てる場所も、なくなってきたためなのでしょうか?
昔は平屋の家が多かったのか、「屋根より高い」こいのぼりだったのも、最近は「ビルより低い」こいのぼりとなってしましました。
今はあまり見かけなくなった分、こいのぼりを飾っている家を見つけると、うれしくなって、ワクワクして、心もほころんでしまいます。
日本人の心は残ってるなぁと感じます。
コメント