秋の色が、濃くなってきました。
紅葉のシーズン、到来ですよね。
もみじとか、いちょうの木の葉とか、色味がかってきていて、最近、近所の公園を歩いていても、秋の風情とか、おもむきとか、情緒といったものを、感じさせるようになってきました。
思わず、童謡の「もみじ」の歌を口ずさんで、鼻歌うたっちゃいました^^
当時、うたっていた、こどもの頃の気持ちを思い出して、なつかしい気分にひたってしまって、とても心地よかったです。
で、その、鼻歌まじりでうたっちゃった、童謡「もみじ」のことなんですけど、歌詞のほうは、おわかりになるでしょうか?
「出だしはわかるんだけど、全部は覚えていない」とか「サビの部分はわかるんだけど…」ってかたも、案外、いらっしゃるんじゃないでしょうか。
なので「もみじ」の歌詞やその意味などについて、つたえていこうとおもいますので、ぜひ最後までみていってくださいねm(_ _)m
童謡もみの歌詞とは?
「もみじ」のうたの歌詞は、ご存知のとおり、次のようになっています。
作詞/高野辰之 作曲/岡野貞一
1.秋の夕日に照る山もみじ
濃いもうすいも数ある中に
松をいろどるかえでやつたは
山のふもとのすそ模様2.渓の流れに散り浮くもみじ
波にゆられて離れて寄って
赤や黄色の色さまざまに
水の上にも織るにしき
もみじの歌って、出だしの部分を聞くだけで、きれいな光景が、目に浮かんできそうですもんね。かえでやつたなどの、紅葉が、とても色あざやかに感じ、自然のかおりが、匂い立ってきそうです。
また、七七調の歌詞が、歌謡的で、日本人にとっては、大変なじみ深い、リズムになっていますよね。(最後の行だけ、七五調ですけど…)
美しい自然の様子を、詩で表現しているところが、とても情緒があって、日本的なんです。
では、次に、歌詞の内容について、確認していきましょう。
もみじの歌詞の意味とは?
童謡「もみじ」の歌詞の意味を、自分なりに解釈してみると、次のようになります。
その美しい山々は、夕暮れの日差しを浴びて、よりいっそう赤くなって、さらに、あざやかな風景になっている。
模様の色が濃いものも、うすいものも、もみじなどの紅葉の中に、たくさん入り交じっていて、彩り豊かで、きれいで、美しい。
山のふもとのほうでは、かえでやつたなどの紅葉が、赤色や黄色など、色彩ゆたかに染まり、緑色の松のまわりに、色どりをそえている。
その様子が、着物のすそ模様のようで、色とりどりで、情緒があって、とても美しい。
そのいくつかは、波にゆられながら、近づいたり離れたり、重なり合いながらも、川の水に流されている。
落ち葉は、赤色や黄色など様々で、色彩がとても豊富で、すごくカラフル。その色彩ゆたかな紅葉などが、川の水の、上に浮かび、ながれる様子は、とても美しい。
まるで、にしき模様の織り物を、水面にでも、広げているようだ。
1番は、秋の紅葉でいっぱいの山の景色を、見たまま、そのままを、歌ったものです。
秋の夕日に照らされて、山の緑の中の紅葉が、一段と、きれいに、色あざやかに、映えています。山の中のもみじの美しさが、詠まれている歌詞となっています。
2番は、紅葉などが散って、山の中の渓流に、もみじが流されている情景を歌ったものです。重なりあって、揺れている、水の上での、紅葉のうつくしさを詠んでいます。
で、実は、意味を表わすのに、対比をしているところがあるんでけど、さらに、深く掘り下げて伝えていこうと思います。
対比で表す歌詞の意味
対比の構造になっているところは、実は3つあるんです。
- 1番の歌詞の中
- 2番の歌詞の中
- 1番と2番の歌詞の中
となっています。
歌詞の意味を深くまで理解する、手助けになってくれています。
順をおって説明していきますね。
1番の歌詞の中
1番の歌詞の中では、
- 赤色と緑色
- 山全体とふもと
というかたちで対比しています。
「赤色」と「緑色」
紅葉の中でも、きれいに色をつけ、あかさが際立っている、かえでやつたは、歌詞の文字通り、松をいろどり、引き立てています。
「松をいろどる かえでやつたは」
対照的に対比することで、緑色の松の中に、紅葉が映えているようすを、表現しています。
「山全体」と「ふもと」
やまのふもとの色彩と、山全体を比較して、情緒を表現しています。
「照る山もみじ」
山全体は、秋の夕暮の日差しに照らされて、赤くなっている状態です。
「山のふもとのすそ模様」
また、やまのふもとは、かえでやつたなどの紅葉や、松などの緑色で、きれいな模様をつくっている様子なんです。
山頂からだんだん下の方へ、すそ野のほう、ふもとのほうへ、目線を移していった、情景を表しているんですよ。
2番の歌詞の中
2番の歌詞の中では、水の上のもみじと、木に茂るもみじとを、対比しています。
「水面」と「木の上」
「水の上にも」
という表現からもわかる通り、水面にうかぶ、落ち葉のもみじと、木の上で色づいている、紅葉とを、引き合いにしています。
山の中の、渓流の近くで、木からもみじが散る様子も、うかがいつつ、散ったもみじの落ち葉が、波の上で重なりあって、揺れている様子も、ながめているんですよ。
木に生い茂っている、紅葉も美しいけれども、水に流れながらも、模様をつくっているもみじは、散って落ち葉になったあとでも、とてもきれいだといっています。
1番と2番の歌詞の中での対比
1番と2番の歌詞の中で、次の、
- 山のもみじと川のもみじ
- すそ模様とにしき模様
を、対比しているんですよ。
「山のもみじ」と「川のもみじ」
秋の紅葉のうつくしさを、自然の山と、川の情景を使って、表現しています。
1番の歌詞は、山の緑の中の、もみじの美しさを詠んでいます。
「やまのふもとの」
もみじのならんでいる、紅葉の山々を、遠くからながめている様子を、歌っています。
2番の歌詞は、水の上に浮かぶ紅葉の美しさを、詠んでいます。
「水の上にも」
赤や黄色の、もみじやかえでなどの、紅葉でできた、川すそに広がっている模様が、とってもきれいで、美しいといっています。
1番と対照的で、川を流れている紅葉を、間近で、ちかよって見ている情景で、唄っています。
「すそ模様」と「にしき模様」
もみじの様子や美しさを、着物や生地の模様に、比喩をして、たとえにして、表現しています。
1番では「すそ模様」で、2番は「織る錦」で、織り物に見立てられています。
すそ模様
ちなみに、すそ模様って何かというと、和服の模様づけの一つで、すそに置かれている模様のことです。外出着だったり、よそいきの着物で、きれいな色合いの、季節ごとの美しい模様が、すそに描かれています。
で、山全体は、夕日に照らされて、赤く、染め上がっていますよね。まるで、赤い、女性の着物のようなんです。
山のふもとあたり(山すそ)のほうは、色彩豊かな紅葉や松などで、きれいな色どりとなっています。赤や黄色、朱色や緑色の入っている、カラフルな色合いなので、着物のすそ模様にたとえているんです。
山すそのもみじ模様と、着物のすそ模様とを掛けて、なぞらえています。
織る錦
散ったもみじの落ち葉が、波にゆらゆら揺られながら水に浮かんで、さまざまな色できれいな模様をつくって、川全体に広がっています。その様子が、まるで、にしきの織り物のようだと、たとえています。
また「にしきの織り物」が何かっていうと、金糸や銀糸などの色糸で編まれた、きれいな模様でできた、絹の織り物、反物のことです。
赤や黄色の色とりどりの紅葉が、川の水の上で、波に流されながら、織り重なっている姿は、巻かれているにしき模様の反物を、川の上に広げたようだと、見立てられているんです。
もみじやかえでなどの、紅葉でできた模様が、川の水の上で、とてもカラフルで、色彩ゆたかな情景を広げています。
赤色や黄色のにしき模様を織り成していて、散ったあとの紅葉の落ち葉も、とてもきれいで、美しいと歌っているそうです。
童謡「もみじ」って、対比の構造を見ていくと、歌詞の内容が、もっとわかるようになるんですよ。
これからの紅葉の季節、ぜひ参考にしてくさいね^^
もみじ狩りなどに出かけて、きれいな紅葉を、目の当たりにして、楽しんでると、思わず鼻歌がでてきてしまいます。
誰かが歌っているのを、ワンフレーズ聞いただけでも、残りの歌詞が、頭の中に浮かんでくるほどで、思わず、口ずさんでしまいます。
しかも、「もみじ」の歌は童謡なので、どんな年配の方だったとしても、たいていみんな、歌詞をしっかり覚えていたりするもんなんですよね。
童心に返るというか、なつかしい気持ちになれて、こどもと同じ目線に戻れるので、童謡って、本当に、すばらしいとおもいます。
※なつかしい童謡の歌詞について、お伝えしている記事を、以下のページに一覧していますので、ご活用いただければとおもいます♪
歌詞の意味を、おもい出しつつ、紅葉のうつくしさや、秋の情緒に触れながら、もみじの歌を口ずさんで、みんなで楽しんじゃいましょうね。
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